DFDの書き方を詳細に説明したいと思います。DFDとは、データフローダイアグラムの略で、主に業務分析に利用します。
私は、仕事でDFDを書く機会が多いのですが、周囲ではDFDの書き方を知らない人が多のを意外に思っています。同様に知らない方もいると思いますので、ここで説明したいと思います。
まず、前提として、業務分析を行う場合は、DFD(データフローダイヤグラム)だけでは成り立ちません。DFD、データディクショナリーとミニ仕様書という三点セットで業務分析を行います。
システムの概念だけを伝えるのであれば、DFDだけでも良いのかも知れませんが、業務の分析を行うには必ずこの3点セットが必要になります。
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業務分析の三点セット
DFD(データフローダイヤグラム)
データの流れに着目した業務分析手法の一部で、業務の全体を図式化して表現するためのものです。
外部のステークホルダーから、内部に至るまで業務全体を図式化することができるので、一覧性に優れ、また、ユーザとの対話にも使えるツールです。何十年も前から使われているのに色あせないというのは、そういった特徴があるからだと思います。
DFD内で使用される図形要素は、次の段落で説明します。
データディクショナリー
データディクショナリーは、DFDに記述した「データフロー」の内訳を記述するものです。データフローはデータの流れを表します。たとえば販売業務では「請求」や「入金」などがデータフローに当るでしょう。データディクショナリーについて、詳しくは以下の記事で説明しています。
ミニ仕様書
ミニ仕様書は、DFDに記述した「プロセス」の内容を記述します。プロセスにはデータの入力と出力があり、入力されたデータを変換したものを出力しますので、その「変換」の手続きを記述することになります。こちらも、詳しくは以下の記事で説明しています。
DFDの図形要素
まず最初にご覧いただくのは、DFDで使用する図形要素です。図形要素の種類さえ知っていれば書けるものではありませんが、基礎知識として覚えておくようにしてください。
DFDで使用する図は4種類です。
![]() 外部要素 |
(1)外部要素: データの源泉と吸収を表します。 |
![]() データフロー |
(2)データフロー: データの流れ(データが流れるパイプライン)を表します。 |
![]() データストア |
(3)データストア: データを保管します。 |
![]() プロセス |
(4)プロセス: データを変換します。 |
(1)外部要素
外部要素
データの源泉と吸収を表します。言い換えれば、データの源泉というのはデータの発生元、吸収というのはそれ以上のデータの流れが無く、そこで終わりという事です。そして、”外部要素”なので今回の分析の対象外の要素となります。
たとえば自社の販売管理の仕組みを分析するのであれば得意先や仕入先などが外部要素として考えられるでしょう。
また、その場合の外部要素からのデータフローは「得意先からの注文」や「仕入先からの請求」などになります。
(2)データフロー
肝心かなめのデータフローです。このデータフローを書かずしてDFDは語れません。データフローは一本の矢印とデータフロー名で表します。矢印だけでデータフロー名が書かれていないDFDを見かけますが、おそらくDFDの書き方を知らない人が書いたか、途中書きのものでしょう。かならず、データフロー名を書くようにします。
なお、データフローとはデータを流す通路の事です。注文する商品名や数量や金額などのデータが流れる通路には「注文」などというデータフロー名を付けることになるでしょう。
(3)データストア
データストア
データの保管を表します。よく、データベースやファイルだけと勘違いしている人がいますが、データを保管するところは、机の引き出し、事務所の棚だったり、個人のパソコンだったりと様々な保管場所がありますね。すべて記載しましょう。
(4)プロセス
プロセス
DFDを書く上でいちばん名前付けに困らない要素です。”注文を受ける”とか”注文を台帳に転記する”などデータの変換を表します。ここで注意事項ですが、プロセスに名前を付けるのは一番最後にした方が良いということです。理由は後で説明します。
図形要素の説明はここまでです。続きは以下のリンクから、ご覧ください。いよいよダイヤグラムの書き方の説明です。
DFDについて詳しく学習するには、以下のリンク先の本が役に立ちます。
以上、「DFD(データフローダイヤグラム)の書き方(1)DFDで使う図形要素の説明」でした。
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